こつこつ測り隊の日記

市民放射線測定グループ こつこつ測り隊のブログです。

JR勝田車両センター周辺測定・その1

こんにちは。

市民放射線測定グループ 「こつこつ測り隊」です。

2011年の福島原発事故のあと、市内の放射能汚染を心配したママたちを中心に、途中からは原子力関連OBや、生物の先生も合流しながら茨城県ひたちなか市水戸市近辺の放射線測定を行ってきました。

 

2020年、21年度は、コロナウィルス感染症への不安から活動を縮小しておりますが、まだグループは無くなってません(笑)。細々と活動しております。

 

遅くなってしまいましたが、勝田車両センター周辺を2020年6月と2021年3月の2回、測定してきましたので、ご報告します!

 

 

常磐線 勝田車両センター周辺の測定を計画した理由

 

 

この勝田車両センターを測定したのは、2020年3月の常磐線全線開通があったからです。2011年の東日本大震災福島原発事故の後、常磐線にはずっと不通の区間がありました。

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福島第一原発に最も近く、空間線量も高かった浪江~富岡の区間で2020年3月14日から、常磐線が走ることになったのです。

これが、勝田車両センター周辺の空間線量にどのくらい影響するのかは調べてみなければわかりません。

 

勝田車両センターは、たくさんの電車が集まるため、電車の好きなちびっ子たち、大人たちからも人気のスポットです。

 

goo.gl

たくさんの電車が集まる車両基地であることや洗車や整備が行われる場所なので、

見ていて楽しい反面、もしかしたら高線量地帯の放射性物質を含むちりがたまる可能性もあるのではないか?と考えました。

 

  

被爆の恐れが高いのは、やはり現場で働いている方だと思いますが

JRの敷地の中の測定は私たちにはできないので、

ひたちなか市民として、車両センター周辺の空間線量の測定を継続して行うことにしました。

 

 

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 洗車機を横から見たところ

この洗車機を通った後に、前面は手作業でゴシゴシ洗ってもらうようです。

下は、2020年6月の写真。

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 洗車機を上から見たところ。線路を横切る形で排水溝があります。

 

2020年6月14日 測定結果 

 

 

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この日は、車両センター周辺をぐるっとシンチレーションカウンターで測定し、特に線量の高い場所はないことを確認しました。

この近辺の空間線量は0.05~0.07μ㏜/hが平均的な値でした。

ポイント的に測定を行っているのは、上記3か所です。

 

3つ目のポイントでRadiとシンチレーションでの計測で0.1を超えていますが、この場所は車両センターの北側、踏切の西側で電車の正面が見える位置(車両前面を洗車している写真を撮った場所)です。

 

0.1μ㏜/hという数値をどう見るのかは、ご意見いろいろあると思いますが、私たちの印象としては

「この辺りとしては少し高めだけれども、2011年の事故時に降ったものが溜まる場所であれば、あり得る数値かな」

という感じでした。常磐線全線開通からまだ3か月。そんなに大きな変化はないだろうとも思いました。ただ、無関係とも言えないので、継続して測定するポイントとしました。

 

 

2021年3月14日 測定結果

この地域の平均的な空間線量は、やはり昨年と同じ0.05~0.07μ㏜/hくらいです。

スポット的に線量が高めの場所はありますが、やはり昨年と同様0.1μ㏜/h前後。

以下、3機種で3点計測×3回の平均を表にしています。

一番右の「平均値」を見てください。

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高さ3㎝、50㎝、100㎝で測定した時、放射性物質が地面にたまっていると3㎝の場所の数値が高くなります。

逆に、例えば木の葉や、屋根の上にたまっていた場合は100㎝の数値が高くなります。

が、ほとんどの場所でその3点での数値の差は見られません。

 

数値の差が少し気になるのは2番、3番、6番、8番です。

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      2番      3番    6番   8番

100㎝    0.06        0.07           0.07   0.06 

50㎝    0.06       0.07   0.07           0.06

3㎝    0.08        0.09   0.07          0.09

 

2番は、建物の北側の苔の上。

3番は、門の脇の、段差がある場所。

6番は洗車場の西側のすぐ脇のちょっとじめっとした場所。

8番は洗車場の東側で線路をいくつか挟むので、少し離れていますが、フェンスの脇で雑草も生えていて、土ぼこりがたまりやすそうな場所。

どの場所も100㎝に比べて地面に近い3㎝の値が0.02ほど高いです。これが常磐線全線開通の影響か…?それとも2011年に降ったものの残りか…?となると、よくわかりません。

 

逆に、昨年測定して0.1を超えた場所は12番なのですが、0.06(100㎝)、0.08(50㎝)、0.07(3㎝)と、この地域の平均的な値に近くなっていました。

 

また、周辺の公園は市民の憩いの場で子どもたちの遊ぶ姿が見られるため、念のため測定しました(10番、11番)が、新しく整備された事もあり、線量はほかに比べても低かったです。

現在、放射線に関しては、安心して遊べるレベルです。

 

ただ、今後の数値の変化は、継続してみていく必要があると考えています。

 

結果の報告

こつこつ測り隊では、ひたちなか市内の測定を行う時には、市が貸し出しをしている放射線測定器を毎回お借りします。今回も使用しているTC-100というのが市役所の測定器。

市役所に対処してほしい数値が出た時に、市の職員も確認しやすいと思うからです。また、クレーマー的に高めの数値が出る機種を使っているんじゃないかと疑われたくないというのもあります。

 

今回も、2回分の測定結果をひたちなか市役所の生活安全課にお伝えしてきました。市民から問い合わせがあった時にお使いくださいとお話ししました。

 

今回は、特に対処してもらう必要がある場所は見つかりませんでしたが、今後、何かあった時に対処してもらえるよう、地道な測定活動は続けていきたいと思います。