こつこつ測り隊の日記

市民放射線測定グループ こつこつ測り隊のブログです。

2023年 国営ひたち海浜公園測定報告

 

こんにちは。市民測定グループこつこつ測り隊です。

コロナでの閉園や、ロックフェスの移転などもあり

2019年以降ストップしていた放射線測定ですが、

とっても久しぶりに行ってまいりました。

 

2023年3月測定マップ・過去の測定マップ

測定日は、2023年3月31日です。

海浜公園管理事務所には、4月21日にデータをお届け済みです。

みはらしの丘周辺マップ

マップ上の円柱の色の見方は下の解説を参考に。

3段重ねの円柱は、測定した高さを表しています。

(マップ上では、過去の測定結果は除き、今回の測定結果のみを円柱で表示)

 

過去の測定データをまとめて記載したものは、こちら。

線量の高かった場所も、その後の測定で下がっていれば

下がった方の数値を掲載しており、これが2019年6月時点で

私たちが確認できた最終の数値となります。↓


◇2023年測定データ

測定の元データがこちら。

今回は、8か所測定しました。

測定ポイントの番号は、最初のマップの番号に対応。

ポイント①~③、⑥は、過去データを下段に記載しました。



◇今回、線量が高かった場所

 ⑤ 舗装された道から1~2mほど離れた林の中。細い松の根元。

   地面から3㎝では0.6μ㏜/h。1mでは0.28μ㏜/h。ホットスポット的に高い値が出

   ていますが、少し離れると下がります。

 ⑦ 西口からみはらしの丘に向かう途中の歩道の脇。かなり盛土がされたエリア。

   地面から3㎝では0.5μ㏜/hを超えますが、地面から1mでは0.16μ㏜/h。

 

◇過去データとの比較 その1

過去の測定で高い値が出た場所は、継続して測定しています

今回のポイント②は、2018年測定時に高かった場所でした。

ここは2018年に整備されて、新しくベンチが設置された場所。

松林の木陰のベンチです。

この時のデータももちろん公園管理事務所にお渡ししました。

比較してみると、この5年で半分以下に減少したのがわかります。

 

◇過去データとの比較 その2

今回のポイント③は、2013年10月の測定で測定した場所。

ネモフィラで有名な「みはらしの丘」のふもとです。

 

2013.10.3測定

 

翌年2014年の再測定では、近くに高い場所見つけたため、測定ポイントが1つ増えています(P3のB)。

黒の数字:2013年10月3日測定

赤の数字:2014年10月24日測定


同じ場所が、2023年の測定では、約1/5~1/8に下がっています。

 

◇過去データとの比較 その3

さて、今回比較的高い値だったポイント7やポイント8。

この辺りは、数年前までは窪地だった場所でした。

全く同じ場所というわけではありませんが

この辺りの測定値です。

 注:表中の「dose 0.89」は、この時の測定メンバーが持参した個人の測定器の値を参考値として記載したものです。

 

この窪地だった場所の2023年の測定



ポイント7は、生えている広葉樹は根元が完全に隠れ、幹まで土に埋まっている状態でした。相当な量の土が入れられたようです。今回の測定では3㎝(地面の高さ)で0.53μ㏜/hですが、本来の地面は2~30㎝くらい下だったのかもしれません。

 

ポイント8は、背の高い松はみんな伐採されて、あとに幼木が植樹されていました。

 

比較的、高い線量とはいえ、両方とも「高さ1mで、0.23 μ㏜/h」を下回っており、国の除染基準値以下です。

公園管理事務所の方の、ご尽力あればこその、この数値だと思います。

 

以上。2023年3月の国営ひたち海浜公園測定報告でした!

JR勝田車両センター周辺測定・その2(内後公園 空間線量・土壌放射能)

 

こんにちは。市民放射線測定グループ「こつこつ測り隊」です。2021年度は、茨城県ひたちなか市・JR勝田車両センターの西側に位置する「内後公園」空間線量の測定と、公園内の土壌の放射能測定を行いましたので、報告です!

 

内後公園・空間線量測定

(測定日2021年12月20日

公園全体をざっとシンチレーションカウンターで確認しましたが、突出して高い値は見つからず(0.04~0.07μ㏜/h)、こつこつ測り隊恒例の3点(3㎝・50㎝・100㎝)×3機種(アロカシンチレーション・堀場Radi・テクノエーピーTC100)での測定を行ったのは、5か所。場所の選定は、人が長時間とどまる可能性がある「ベンチ」と「遊具(ブランコ・すべり台)と烏賀陽弘道氏のnoteにて「0.26μ㏜/h」が測定されたと思われる場所(地図中の①)です。

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内後公園 測定マップ

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内後公園 空間線量率


■測定結果

 測定数値をご覧いただいて分かる通り、公園内(②~⑤)はおおむね0.04~0.07μ㏜/h。国の除染基準が100㎝の高さで0.23μ㏜/h。福島原発事故前のひたちなか市近郊の空間線量が0.02~0.06μ㏜/hと言われていることから、特に線量が高いとは言えません。

 ②~⑤に比べると①の場所は、0.06~0.08μ㏜/h。JR勝田車両センターの西側にある公園のさらに西側のアスファルトで舗装された道路です。アスファルト上で測定し、3㎝:0.08μ㏜/h>50㎝:0.07μ㏜/h>100㎝:0.06μ㏜/h。道路わきの側溝も測ってみましたが、0.07μ㏜/h。公園内よりは高いですが、誤差の範囲とも言えるくらいの差です。

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①の西側 側溝



内後公園・土壌㏃調査

(土壌採取日:2022年1月31日)

 これまで、こつこつ測り隊では空間線量を測定してきましたが、空間線量と土壌の放射能の関係を調べたことは、あまりありませんでした。しかし今回、烏賀陽弘道氏のnoteにて、氏がつくば市放射能測定所に公園の土壌測定を依頼しておられたので、比較のため同じように測定してみることにしました。測定用の土壌を採取するにあたって、ひたちなか市役所公園緑地課に公園の使用許可をいただきました。

つくば市民測定所つくば市民放射能測定所 HOME (fc2.com)

つくば市民放射能測定所 コース・料金 (fc2.com)

1か所につき約1㎏の土壌を採取し、測定所推奨の1時間コースで測定。

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②公園西側ベンチ脇

 

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③ブランコ脇

 

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④東側ベンチ脇

 

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⑤すべり台脇

①はアスファルトの路上なので除きました。公園内の4か所(地点②~⑤)の測定結果です。この4地点から採取した土壌㏃調査結果の数値を並べてみます。セシウム合計の右に12月に測定した同じ場所の空間線量を付けました。参考として最下段に烏賀陽氏採取の土壌(測定時間64800秒)の結果も並べてみました。公園内のどこなのか詳細が不明なので、空間線量は空欄にしてあります。

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内後公園内 土壌と空間線量比較

4か所とも砂が多く、放射性物質が吸着しにくい土質。芝などの草や根は取り除きました。どこもそれほど高い値は出ず、④東側のベンチ脇は少し高め(318㏃/㎏)でした。しかし、同じ場所の空間線量はほかの地点より高いわけではなく、空間線量に影響が出るほどでは無い値のようです。

■今回の土壌㏃調査結果について

つくば市放射能測定所の藤田さんよりコメントをいただきました。

 「内後公園の汚染は、2011年の事故直後の汚染だけで説明できるレベル。また、このくらいの数値は、残念ながらひたちなか市では特別高い汚染ではないです。」とのことで、2019年に測定されたこちらの数値を教えていただきました。

https://www.kankyo-hoshano.go.jp

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また、烏賀陽氏noteでの内後公園放射能汚染の指摘についてもご意見をいただきました。

烏賀陽氏の推論 

放射性物質を含んだ汚水が地下に染み込み、地下水として移動したあと、公園の樹木に吸い上げられ、落ち葉や枯れ枝として地表に落ちた。

②車両に付着した放射性物質のチリが風で公園に飛んだ。

放射性物質を含んだ洗浄台の汚水が風で飛んだ。

上記3点の推論について、つくば市放射能測定所・藤田さんからの指摘

 「洗車場の汚染水が公園まで達していて、その影響が数値に現れているとは思えません。洗車場の汚染水が日常的に大量に道路を超えて公園まで流出しているならまだしも、いったん地面に浸みた汚染水が道路の下を通過して公園の土壌を汚染するというのは考えにくいです。また、すでに上で指摘しましたが、そもそも、烏賀陽さんがその高さに驚いて、何か特別な汚染源(福島の高汚染地から電車が運んできて洗車によって拡散した放射性物質)によってしか説明がつかないと思った500Bq/kg程度の汚染は、残念ながらひたちなか市では特別高い汚染ではない。また、洗車場のコケの汚染も高い数値ではなかった。道端にはもっと桁違いに高い汚染を示すコケはいくらでもあるでしょう。洗車場の汚染水が周りに影響を与えるほど高いとすれば、洗車場のコケは数十、数百ベクレル/kgよりもっと高い値になるのではないでしょうか。」

 この藤田さんの指摘は、記事公開前の時点で烏賀陽氏とのやり取りの中でもされたそうなので、烏賀陽氏はご存じの上で、あえてあの記事を書かれたようです。

 

また、藤田さんからは、こつこつ測り隊の活動に対しても、以下のようなアドバイスをいただきました。

「洗車場の汚染水が周囲に影響を全く与えていないとも言えません。その点を踏まえて、もしさらに調査するなら、洗車場と公園を隔てている道路に沿って数百メートルくらい空間線量率の変化を細かく調べるとよいと思います。烏賀陽さんも特定の線上で線量が高いと指摘していたかと思います。それをまずは検証してみては。」

ありがとうございます!参考にさせていただきます。

 

 

■こつこつ測り隊の見解

1⃣内後公園の空間線量は、ひたちなか市内の中でも低い方にあたる数値であり、子どもを遊ばせても問題ないと思われる。

2⃣内後公園東側のベンチ脇の土壌㏃は、その他の測定ポイントよりは高かったが、これがJR勝田車両センターの洗車台や、車両に付着した放射性物質に由来するものなのか、2011年の事故直後に飛来したものなのかは不明。

3⃣公園西側のアスファルト面の線量が少し高いことを考えると、2011年の事故で飛来した放射性物質が残っている可能性の方が高いのではないか。(公園内は、定期的な清掃と、砂地のためにセシウムがとどまらずに雨などで流されてしまい、路上アスファルト面は、表面の凹部分にセシウムがとどまっている可能性。)

4⃣洗車台やJR勝田車両センターの敷地には、比較的大きな側溝があり、洗車後の水が大量に敷地外に流れる構造にはなっていない。可能性があるとすれば、洗車中の飛沫が風に乗って公園に流れてくるくらいと思われる。が、その場合もかなり大量の放射性物質が積もっていないと、公園の空間線量は目に見えて高くはならない。

5⃣以上4点から、2021年12月の時点では、JR勝田車両センターで洗車される常磐線車両付着の放射性物質が原因で、ひたちなか市「内後公園」の空間線量及び土壌㏃が上昇しているとは言えない。

 これはしかし、今後の放射線量の上昇がない事を保証するものではなく、継続的に測定を続ける意義はあると思われる。また、こつこつ測り隊がこれまで行ってこなかった「空間線量」と「土壌㏃」の関連についても調査の必要がある。

 

以上、ご報告でした!

 

ご協力御礼

「生活クラブ茨城」いつも測定器貸していただいてます!

つくば市放射能測定所」コメントも添えていただき感謝です!

ひたちなか市」測定器の貸し出しと、公園使用料減免措置、感謝です!

 

私たち「こつこつ測り隊」は、生活クラブ茨城の「地域くらぶ」というしくみにグループ登録しており、今回の土壌測定にかかった費用は、地域くらぶの活動費から支出しました。市民活動というのは、基本的にすべて持ち出しなので、とても助かりました。

 

2022年度も引き続き、JR勝田車両センター周辺の測定は行っていこうと思います。

水戸・ひたちなか東海村周辺で気になるポイントなどありましたら、ご連絡ください。測定に伺いますよ!一緒に測定してみたい方も、大歓迎です(^▽^)/

 

JR勝田車両センター周辺測定・その1 は、こちら ↓

kotsukotsu-blog.hateblo.jp

 

 

JR勝田車両センター周辺測定・その1

こんにちは。

市民放射線測定グループ 「こつこつ測り隊」です。

2011年の福島原発事故のあと、市内の放射能汚染を心配したママたちを中心に、途中からは原子力関連OBや、生物の先生も合流しながら茨城県ひたちなか市水戸市近辺の放射線測定を行ってきました。

 

2020年、21年度は、コロナウィルス感染症への不安から活動を縮小しておりますが、まだグループは無くなってません(笑)。細々と活動しております。

 

遅くなってしまいましたが、勝田車両センター周辺を2020年6月と2021年3月の2回、測定してきましたので、ご報告します!

 

 

常磐線 勝田車両センター周辺の測定を計画した理由

 

 

この勝田車両センターを測定したのは、2020年3月の常磐線全線開通があったからです。2011年の東日本大震災福島原発事故の後、常磐線にはずっと不通の区間がありました。

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福島第一原発に最も近く、空間線量も高かった浪江~富岡の区間で2020年3月14日から、常磐線が走ることになったのです。

これが、勝田車両センター周辺の空間線量にどのくらい影響するのかは調べてみなければわかりません。

 

勝田車両センターは、たくさんの電車が集まるため、電車の好きなちびっ子たち、大人たちからも人気のスポットです。

 

goo.gl

たくさんの電車が集まる車両基地であることや洗車や整備が行われる場所なので、

見ていて楽しい反面、もしかしたら高線量地帯の放射性物質を含むちりがたまる可能性もあるのではないか?と考えました。

 

  

被爆の恐れが高いのは、やはり現場で働いている方だと思いますが

JRの敷地の中の測定は私たちにはできないので、

ひたちなか市民として、車両センター周辺の空間線量の測定を継続して行うことにしました。

 

 

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 洗車機を横から見たところ

この洗車機を通った後に、前面は手作業でゴシゴシ洗ってもらうようです。

下は、2020年6月の写真。

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 洗車機を上から見たところ。線路を横切る形で排水溝があります。

 

2020年6月14日 測定結果 

 

 

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この日は、車両センター周辺をぐるっとシンチレーションカウンターで測定し、特に線量の高い場所はないことを確認しました。

この近辺の空間線量は0.05~0.07μ㏜/hが平均的な値でした。

ポイント的に測定を行っているのは、上記3か所です。

 

3つ目のポイントでRadiとシンチレーションでの計測で0.1を超えていますが、この場所は車両センターの北側、踏切の西側で電車の正面が見える位置(車両前面を洗車している写真を撮った場所)です。

 

0.1μ㏜/hという数値をどう見るのかは、ご意見いろいろあると思いますが、私たちの印象としては

「この辺りとしては少し高めだけれども、2011年の事故時に降ったものが溜まる場所であれば、あり得る数値かな」

という感じでした。常磐線全線開通からまだ3か月。そんなに大きな変化はないだろうとも思いました。ただ、無関係とも言えないので、継続して測定するポイントとしました。

 

 

2021年3月14日 測定結果

この地域の平均的な空間線量は、やはり昨年と同じ0.05~0.07μ㏜/hくらいです。

スポット的に線量が高めの場所はありますが、やはり昨年と同様0.1μ㏜/h前後。

以下、3機種で3点計測×3回の平均を表にしています。

一番右の「平均値」を見てください。

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高さ3㎝、50㎝、100㎝で測定した時、放射性物質が地面にたまっていると3㎝の場所の数値が高くなります。

逆に、例えば木の葉や、屋根の上にたまっていた場合は100㎝の数値が高くなります。

が、ほとんどの場所でその3点での数値の差は見られません。

 

数値の差が少し気になるのは2番、3番、6番、8番です。

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      2番      3番    6番   8番

100㎝    0.06        0.07           0.07   0.06 

50㎝    0.06       0.07   0.07           0.06

3㎝    0.08        0.09   0.07          0.09

 

2番は、建物の北側の苔の上。

3番は、門の脇の、段差がある場所。

6番は洗車場の西側のすぐ脇のちょっとじめっとした場所。

8番は洗車場の東側で線路をいくつか挟むので、少し離れていますが、フェンスの脇で雑草も生えていて、土ぼこりがたまりやすそうな場所。

どの場所も100㎝に比べて地面に近い3㎝の値が0.02ほど高いです。これが常磐線全線開通の影響か…?それとも2011年に降ったものの残りか…?となると、よくわかりません。

 

逆に、昨年測定して0.1を超えた場所は12番なのですが、0.06(100㎝)、0.08(50㎝)、0.07(3㎝)と、この地域の平均的な値に近くなっていました。

 

また、周辺の公園は市民の憩いの場で子どもたちの遊ぶ姿が見られるため、念のため測定しました(10番、11番)が、新しく整備された事もあり、線量はほかに比べても低かったです。

現在、放射線に関しては、安心して遊べるレベルです。

 

ただ、今後の数値の変化は、継続してみていく必要があると考えています。

 

結果の報告

こつこつ測り隊では、ひたちなか市内の測定を行う時には、市が貸し出しをしている放射線測定器を毎回お借りします。今回も使用しているTC-100というのが市役所の測定器。

市役所に対処してほしい数値が出た時に、市の職員も確認しやすいと思うからです。また、クレーマー的に高めの数値が出る機種を使っているんじゃないかと疑われたくないというのもあります。

 

今回も、2回分の測定結果をひたちなか市役所の生活安全課にお伝えしてきました。市民から問い合わせがあった時にお使いくださいとお話ししました。

 

今回は、特に対処してもらう必要がある場所は見つかりませんでしたが、今後、何かあった時に対処してもらえるよう、地道な測定活動は続けていきたいと思います。

 

 

 

 

広域避難計画は問題だらけ?!

こんにちは!市民測定グループ「こつこつ測り隊」です。

 

私たちは地域の放射線測定以外にも、身内での学習会を行っていました(今年度はコロナで集まれていません)。メンバーの半分は、2011年当時、まだ育ち盛りの子どもを抱えた「ふつうのお母さん」。ですがそれ以外に、原子力に携わっていたリタイア世代や、生物の先生をやっていた人など、専門知識のある人がいるので、その人たちから「原子力の基本のき」や「放射線のDNAへの影響」などを学びながら測定を行ってきました。

 

でないと、測定した数字の意味や、それが子どもたちにどう影響するのかなど、専門家ですら分からないことだらけの状況で、何をどこまで心配したらよいのか、わからなかったからです。

 

起きてしまった福島第一原発事故の影響も心配でしたが、地元茨城県にある東海第2原発が事故を起こしたら…。ほとんどのメンバーがその10㎞圏内に住んでいるために、それは重大な関心事でした。

 

 

広域避難計画は問題だらけ⁈ 

今から2年も前になってしまいますが、2018年10月に私たちが作成したリーフレットがあります。「原子力災害時に備えた『広域避難計画』は問題だらけ⁈」というタイトルで、A4サイズ4ページのもの。

 

なぜ、これを作る必要があったのかと言いますと…

2018年11月27日は東海第2発電所の運転開始40年のお誕生日だったからです。

原子力発電所は運転開始から40年で廃炉とする決まり)

https://www.asahi.com/articles/ASL744437L74ULBJ00H.html

 

 

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広域避難計画は問題だらけ⁈

 

 

2018年は、東海第2原発の寿命を延ばそう(つまり運転開始から60年後の、2038年まで運転を可能にする)という運転延長申請の成り行きに注目が集まっていました。

 

↓ こちらはウィキペディアからの引用。東日本大震災の時の東海第2原発の状況です。

  一歩間違えば、福島第1原発と同じことになっていたとわかります。

 

2011年3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)により、原子炉が自動停止した。常用の外部電源も停止したことから、非常用ディーゼル発電機3台を起動して運転に必要な電源を確保したが、津波によってディーゼル発電機用海水ポンプが故障したため、残るディーゼル発電機2台で原子炉冷却に必要な電源を確保した[4]。その後、外部予備電源が回復し、3月15日0時40分(JST)に原子炉水温度が100℃未満の冷温停止状態となったことを確認した[5]。その間は注水と、水蒸気を逃がすための弁操作の綱渡り的な繰り返しで、冷温停止までにかかった時間も通常の2倍以上であった[6]

しかし、高さ6.1m(想定津波5.7m)の防波壁に到達した津波の高さは5.4mで、工事中のため防波壁には穴が開いていた。その穴から入った海水によって、全3台の海水ポンプが水没(2台は水深が低かったため稼働)し、非常用ディーゼル発電機1台も停止した。原子炉は冷却し続けられたが、もう少し波が高かったら、全ての電源が潰滅し、福島第一原発と同じ状態になっていたという。日本原電は、「(冷却機能が全て失われた)福島第一の事態になった可能性は否定できない」と述べている[7]

 

 

 

福島第1原発では軽視された(予算を削るために、想定津波の高さを数回にわたって

低く修正させたと言われています)津波対策を日本原電が真っ当に行っていたおかげで、かろうじて70㎝ の余裕があり、それでも完成していなかったために危険な状態に陥ったことがわかります。

 

そして、この時の冷温停止からずっと止まったままの東海第2原発を再稼働させようという動きが活発になっていたのが2018年でした。

 

2011年の震災当時、東海第2原発が電源不足に陥っていることなど、住民にはもちろん知らされませんでした(後日、新聞記事で知った)。

結果的に、おそらく現場の方の尽力で、東海第2は制御不能の状態にはなりませんでしたが、実際に放射性物質が敷地外に漏れる状態になっても「パニックになるから」という理由で避難指示を出さなかった可能性が高いのではないか…と私などは思います。

 

 

あの事故から学んだ上で行政が作っている原子力災害に備えた広域避難計画」は、住民を放射能から守ることを目的にしておらず、あえて言うなら住民の被曝を前提に作られています

それを住民が知らないまま、東海第2原発がなし崩しに再稼働してしまうのは、まずいのではないか。「絶対、安全」「5重の壁に守られているから、敷地の外に放射能が漏れることはない」。それはあり得ない事だと学んだのだから、私たちは冷静にリスクと向き合う必要がある。

事故が起こったら、どうなるのか。

行政の避難計画はどうなっているのか。

少しでも被曝を減らしたかったら、どう行動するのが良いか。

 

そういう事を自分の問題として、考えてもらうことを目的に、このリーフレットを作りました。

 

一気に全部を解説すると長くなり過ぎてしまうので、今回は1ページ目のみの解説です!

 

 

広域避難計画はだれが作っているのか

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広域避難計画 誰が作ってるの?

おおもとは「内閣府原子力防災担当」

https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/keikaku/keikaku.html

原子力規制委員会が作っている「原子力災害対策指針」に基づいています。

https://www.nsr.go.jp/data/000024441.pdf

これを受けて、茨城県では、「原子力災害に備えた茨城県広域避難計画」を策定しています。

https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/gentai/kikaku/nuclear/bosai/01.html

 

そして、県内各市町村の役所の中の担当課職員が、それぞれ数名で四苦八苦しながら、実際の細かい避難計画を作成している、というのが実情です。

 

 

↓ 茨城県作成の「原子力災害に備えた茨城県広域避難計画」

 この資料の30ページ目に、どの市町村がどこに避難するのか詳細が載っています。

 各市町村担当者は、これを元に避難計画策定作業を進めています。

https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/gentai/kikaku/nuclear/bosai/documents/honbun.pdf

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広域避難計画 どこに逃げるの?

  県のPDFの方が、上の地図より詳しいものを見ることができますよ。

 

 

どこに逃げるの?

2018年10月の時点では、上記の範囲が決まっていました。

しかし今年、避難所での新型コロナウィルス対策を検討しなければならなくなり、避難所の収容人数が減少。おそらく避難計画は、また作り直さなければならなくなっています。担当者の心労が積み重なっていそうで心配です…。

 

 

 

各市町村の避難計画 進捗状況

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広域避難計画 完成してるの?

〈参考〉ひたちなか市HP 原子力防災

https://www.city.hitachinaka.lg.jp/soshiki/5/11/3/atomic/index.html

  ひたちなか市の基本指針(案)

https://www.city.hitachinaka.lg.jp/material/files/group/16/atomic_kihonhoushin.pdf

  ひたちなか市作成 主な避難経路(案)

https://www.city.hitachinaka.lg.jp/material/files/group/16/atomic_hinankeirozu.pdf

 

 

茨城県内で、避難計画を策定し終わっているのは「笠間市」「常陸太田市」「常陸大宮市」の3行政区のみ。笠間市などは、いったん完成させた上でその後さらにブラッシュアップしていく、との事ですが、多くの自治体では、この避難計画策定は難航しています。

 

なぜ、難航しているのか。

その理由は、また次回。

国営ひたち海浜公園 測定 2019

2020年の1月にはてなブログに引越しをして、早8か月…。

更新が遅くなってすみませんでした~。

 

しかし今年は、COVID-19(新型コロナウィルス)の感染対策のために春のネモフィラシーズンも、夏のロックインジャパンも無くなる!という前代未聞の事態。

私たち「こつこつ測り隊」も海浜公園に入るの自粛いたしました。

 

 

2019年6月更新 ひたち海浜公園マップ

というわけで、2020年の海浜公園の測定は行っておりませんが、2019年3月から6月に測定した結果を反映させた「海浜公園 測定マップ」をアップいたします。

見開きにすると小さくなってしまうため、左右のページが縦に並んでおります。見にくくてごめんなさい。

 

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国営ひたち海浜公園 空間線量率マップ 1

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国営ひたち海浜公園 空間線量率マップ 2

の柱が、2019年度に測定した結果です。

(古い順に「●→■→▲→五角形→★」となります。)

 

ご存じの方も多いと思いますが、ひたち海浜公園は、とっても広大な公園。

私たちは、その公園内をできるだけ「公平な目で」測定して、なおかつ気になるポイントを見つけたら、そこも測定します。その作業をこつこつと積み重ねております。

ついでに言うと、管理事務所から測定を依頼されているわけではありません!

あくまでも、市民のボランティア活動なので、入園料まで自腹で払って測定しております…(えらいなぁ!←自画自賛)。

 

 

 

 

 ひたち海浜公園 管理事務所の測定結果

参考までに、海浜公園の管理事務所が測定した2020年度の測定結果もこちらに紹介しておきますね。

 

https://hitachikaihin.jp/radiation/result20190204/

 

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国営ひたち海浜公園 管理事務所の測定箇所

「すべての箇所で地表から1mで0.23μ㏜/hを下回っている」とのことです。

私たちが1地点につき3段階の高さで(地表、50センチ、1m)測定しても、ほとんどが0.23μ㏜/hを下回りますから、この通り、多くの来園者が歩いたり休んだりするところは、ほぼほぼ国が定めた除染の基準を下回っています。

 

「こつこつ測り隊」のマップ1、2で、0.23μ㏜/hを超える地点(赤、オレンジ、黄色の柱)は、主に林の中の除染が行き届かない場所や、管理事務所が柵やロープで立ち入り禁止にしている場所。こういう値が出る箇所が公園の中にもあるんだね、というぐらいに受け止めてください。

ほとんどの地点が、人が近づかないよう管理事務所によって対策済みです。

 

毎年、測定結果はマップと元データ(1地点につき、3段階の高さをそれぞれ3回ずつ計測)を全部、管理事務所にお渡ししていますが、

来園者が普通に行き来する地点で高い値が出た場合は、特に配慮してほしい旨を口頭でお伝えしています。

 

ちなみにこの時、3月の測定では、松林を切り開いて新設されたベンチ周辺の値が高かったため、対策を求めました。その後、対策されたかどうかの確認のため6月に測定を行い、結果をマップに反映させております。(マップ1の中央あたりの★地点。対策されていました。)

 

 

 

あの事故から10年

2011年の福島第一原発事故からもうすぐ10年が経とうとしています。

事故現場から130km.も離れたひたち海浜公園でも、いまだに降り注いだ放射性物質の影響はゼロにならない。(事故当時、日本の各地に「ホットスポット」と言われた場所がありましたが、その地域は今、どうなっているのでしょう)

 

2020年8月に、福島原発近くの国道6号を走りましたが、車中で計測してもまだまだ線量は高い(最高値 大熊町双葉町 2.773μ㏜/h HORIBA PA-1000Radi)。

 

海浜公園という区切られた空間で、きっちり管理して、それでも国の基準「地表から1mで0.23μ㏜/h」を超える値を無くすことが難しい現状を目の当たりにすると、広大な農地、山林、人々の住まいの上に降り注いだ放射性物質を取り除くということが、いかに困難な事なのか…考えると途方に暮れてしまいます。

 

除染をせずに避難解除するという方法を内閣府が検討しているようです。

それは、どういう事なのか。自分だったらどうするのか。

42基(建設中、計画中を除く)の原発を抱える日本に暮らしていれば、最寄りの原発に何かがあれば誰もが当事者になる可能性がある問題。

福島県の問題」と線を引いてしまわず、自分の事として考えたいものです。

 

 

 

引っ越しました🌅 

昨年末、Yahooブログの終了に伴い、こちら「はてなブログ」にお引越しして参りました!

 

2011年3月の福島原発事故以降、自分たちが住んでいる地域の放射線量を測定し、必要な方に情報をお届けしたい、と測定活動を続けています「市民測定グループ こつこつ測り隊」と申します😊

 

国営ひたち海浜公園」や、ロッキン・ジャパンのキャンプ村となる「長砂公園」の測定は毎年行なって、管理者側にデータをお渡しする活動は続けておりました。

 

が、こういう作業が得意なメンバーがおらず💦2015年以降、データ更新が出来ておりませんでした。

2020年はがんばって、これまでのデータもアップしていけたら、と考えております😁✨

 

どうぞよろしくお願いいたします😊💕

 

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松ぼっくり測定

今回は「松ぼっくり」について測定した結果をお知らせいたします

どんぐりと並んで子供が大好きなアイテムですよね

が、実はひたちなか近郊では、この「松ぼっくり」に放射能がついてて
みんな大好き・国営ひたち海浜公園のとか、2015年に拾ったのでも1933ベクレル
ママさん、この数字の意味、よく考えてね

こつこつ測り隊の結論としては、
どうしても松ぼっくり拾いたいなら
①線量が低い地域の②新しいものを選ぶべし。

です

ちょっと詳しく書いていきますね。

①線量が低い地域
汚染マップや、各自測定して判断してくださいね。
ここ測ってほしい~!って方はご一報ください
とは言っても。
「今この公園でまさに子供が松ぼっくり拾ってる~!」って時の目安として
とっても大雑把なことを言いますと、
ひたちなか近郊に限っては
線量が低い→内陸で、標高が低いところが多いです。
ご参考までに。


②新しい松ぼっくりの見分け方
松ぼっくりができるまでは2年くらいかかるみたいですね
あの事故から4年経ちますが、なるべく新しいものを選ぶとです。
新しい松ぼっくり
濃い茶色で、強度がある(もろくない)です。

詳しいことはをご覧ください~

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